夜中の12時。ストロングゼロを片手に全裸の大学生男性が公園を散歩している。暗闇の奥から近づく白い塊。目を凝らしてみると、全裸の中年男性であった。
「おじさんは未来から来たんだよ」
毎日鏡で見る目元と同じだった。大学生男性は中年男性が誰なのか理解した。形のない絶望は今や現に存在する苦痛となり、脳に直撃する。苦痛は悲しみへと変わり、大学生男性は膝から崩れ落ち、涙を流した。
「嘘だ!あそこには夢があって、希望があって、未来があって...」
「おじさんはそこから来たんだよ。未来には枯れ野しかないんだよ」