現実モデリング

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すみません、孤独のグルメ、グルメ抜きでお願いします

カレーライスからライスを抜いたら何が残るだろうか。カレールーが残る。過去にカレーライスを食べた経験があるなら、「ライスが欲しいな」と思うだろう。

別の例を考えてみる。寿司からシャリを抜いたら何が残るだろうか。刺身が残る。寿司を食べるつもりだったのに、シャリが抜かれた寿司が出てきた。港区女子でないのなら「シャリが欲しいな」と思うはずだ。

僕は自分の生活を表現するのに「孤独のグルメからグルメを抜いたようなもの」と表現することがよくある。孤独だと主張したいなら「孤独」と言えばいい。そう表現しないのは、「あってほしい何かが欠けている」感覚を示すためだ。意味が一番近いのは「ファントム・ペイン(幻肢痛)」だと思う。

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四肢切断後の患者が、失った四肢が存在するような錯覚(phantom limb awareness)や失った四肢が存在していた空間に温冷感や痺れ感などの感覚(phantom sensation)を知覚する現象を幻肢と総称する。幻肢は四肢切断でなくても、脳卒中、脊髄損傷や末梢神経損傷などの運動麻痺や感覚遮断によっても発症し、これらは余剰幻肢と呼ばれる。また、乳房や陰茎、眼球などの切除後にも幻身体は現れる。幻肢に痛みを感じる現象を特に幻肢痛と呼ぶ。

東京に住んでいたり、インスタグラムを眺めていたりすると、グルメな生活に手が届きそうな錯覚が生まれる。豊かな食生活は幸福をもたらすが、それは幻想だ。幻想によって生み出された痛み、それを表現するのが「孤独のグルメ、グルメ抜き」なのだった(固定化された朝食、冷凍完全食、たまに外食)

しょうもな