現実モデリング

データとかエンジニアリングとか健エミュとか

転職1年目エントリ

行動の直接の原因になった「きっかけ」と「行動の理由」は別物になる。「引き金に手をかける行為」と「引き金を引く行為」の間にある関係と同じように、行動の理由ときっかけは関連しているけど、別物として捉えることもできる。拳銃の引き金に手をかけたのは憎しみからであったとしても、引き金を引いたのは「視界の隅に映るゴキブリにびっくりしたから」かもしれない。

 

転職についても同じで、転職したきっかけと理由は違うものだと思っている。きっかけは「6月の太陽が眩しかったから」とかそんなんだったと思う。研修中にムカついたとかだったかもしれない。新宿の中華料理屋で、ランチを待っている間に暇だったから、AMBIに登録した。

 

きっかけ自体は適当でも、事実は事実として存在している。事実は島で、理由は海路のようなものだと思うようになった。島同士は一定の制約のもとで自由に繋ぐことができる。事実の間をつなげて、自由にストーリーを作ることはできる。ストーリーとは理由のことだ。事実は動かせないが、見る方向によって記述に幅を持たせることができる。

 

事実と事実をつなげて理由を作り出すのは創作の趣味のようなもので、こだわる快感がある。頭の中に生まれた理由を適当にしゃべっては、「お、今のそれっぽくね?」と心の中でドヤる。「それっぽさ」を測る尺度が頭の中にあって、昨日喋ったのは50点、今日喋ったのは60点だな、とか考えるようになる。いかに「それっぽく」「TPOに合わせて」「相手の知りたいことに合わせて」理由を紡ぎ出すのか、方法論を練るようになる。報酬系の異常と健常者エミュレータの暴走、自閉症患者特有のこだわりが組み合わさり、「趣味」に没頭するようになる。

 

そういうことを繰り返していくうちに本当の理由がわからなくなった。訊かれたら答えを提供できるが、どれが本当の理由かわからない。

  • より自由に動ける環境が欲しかった←あってる
  • 成長を求めた←あってる
  • (転職前の会社に対して)ムカついてた←あってる
  • 健エミュがある程度認知を得て自己充足感が増し、今の俺なら多少厳しい環境でもやっていけると思ったから←あってる
  • ぶっちゃけ本能←あってる

やりたいことはほぼできているので結果的には良かったのかもしれない。前の会社より全然満足してる。

 

次はエンジニアリングのことを書きます。